連載「安心!?食べ物情報」No122 発行者・渡辺 宏
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〔Q&A〕 「賞味期限」 2005.12.4―317号より
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Q.賞味期限間近の食品(肉や魚など)を加工すると賞味期限はどの程度伸びますか?
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A.原料にもそれぞれ賞味期限がついています。しかし加工した結果としての製品(加工食品)の賞味期限はそれとは全く関係ありません。
だから、賞味期限がのびるということではなく、加工食品には加工された日から産出される新たな賞味期限がつけられると考えてください。
生鮮食品でも似たようなことがあります。たとえば、ブロック状に冷凍して輸入されてくるエビを、国内でいったん解凍して小袋に詰めた場合、賞味期限は最初の冷凍したときではなく、国内で小分けした日付をもとに産出されます。
これは非常に矛盾をはらんでいて、直輸入されて半年たったものより、一年前のものを一カ月前に小分けしたものの方が新しい見えてしまいます。
同じ生鮮食品では矛盾ですが、加工食品にされたとき、モノとしてはいったん姿を変えたのだと考えてください。生のままではもうもたないが、加工すればまだまだ日持ちするというのはごく普通のことです。
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〔食べ物情報〕 「食育」 2005.12.11―318号より
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このごろ新聞などで「食育」という言葉をよく見かけます。どうも怪しげだと思って無視していたのですが、農水省がやっているのですね。農水省のサイトで、「我が国の食生活の現状と食育の推進について」というPDFファイルをみかけました。
http://www.maff.go.jp/syokuiku/kikakubukai.pdf
いろいろと資料が載っているので、少し紹介してみます。
◆ 食料消費割合の変化(1人1日当たり:供給熱量ベース)
1960年、1980年、2004年の比較があります。1960年には米が半分近くを占めていたのですね。米の占有率は48.3、30.1、23.4とどんどん下がっています。10〜20くらいまでは下がりそうです。それなのに日本の農村では米の作付けが圧倒的に多いのはどうも困ったことです。
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◆ 栄養バランスの変化
「適正比率は、食料・農業・農村基本計画における平成22年度の目標値P(たんぱく質)13%、F(脂質)27%、C(炭水化物)60%」だそうです。この比率によってゆがめられたグラフを掲載しています。実際の割合を示すのではなく、決められた値との相違をグラフにするのは、あまりよくないのでは?と思います。
このグラフでは1980年がほぼ理想的に収まり、2004年では脂肪がやや多すぎるというふうに読めます。28.7%の脂肪が27%のポイントよりはみ出していますが、すこし大げさに書きすぎのような気がします。1.7%でなぜこんなにはみ出すのでしょうか。
全体に見て、現在の栄養バランスは悪くないと見えます。任意にこしらえた基準と現実の数値がこの程度の相違をおこすのは当たり前で、逆に理想に近すぎるという評価もあるかもしれません。
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◆ 食料消費支出に占める外部化率の推移
このグラフで驚いたのは、「外食率」が下がってきていることです。1990年ころをピークに下がり始め、最近では20年前の水準になっています。これでは外食産業は大変だなあ、と思いました。
代わって「食の外部化率」は増加の傾向にあります。
--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------
外食率・・・・・食料消費支出に占める外食の割合
食の外部化率・・外食率に惣菜・調理食品の支出割合を加えたもの
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------
だそうですが、統計を信用する限り、外食の減少を上回って調理済食品の購入額が増えているということになります。
これは時代の流れでしょうね。問題といえば問題ですが、何が悪いのかというと別に何も悪くありません。女性が家事に縛りつけられていた時代がよかったとは私には思えません。外食ばかりではなく、家庭で簡単につくって食べられる料理を食べるというのは、よいことであるという面もあると思います。
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◆ 平均寿命と健康寿命(2002年)
--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------
平均寿命とは、現時点での零歳児の「平均余命」のこと
健康寿命とは、健康という側面からみた寿命、すなわち国民が平均的に病気や他人の介助等がなく、生存できる期間のこと
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------
日本人は平均寿命は長くても、健康や福祉の面では劣っているという思い込みを持つ人も多いです。ところが日本人は健康寿命で見ても群を抜いて高い数字になります。
平均寿命から健康寿命を引くと、健康ではない生存期間になるわけですが、その数字も日本人は短い方です。この数字はどこもあまり変わらず6〜8年くらいですが。
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◆ 供給熱量と摂取熱量の推移(1人1日当たり)
供給熱量の方はやや増加ぎみですが、驚くのは摂取熱量が減少を続けていることです。1970年代にピークがあったようで、2200キロカロリーを超えていたのが最新の数字では1863キロカロリーとかなりの減少になっています。
これは全体として高齢化したことが背景にあると思います。昔は若者が多かったです。私も1970年代なら今の倍くらい食べていたような気がします。食べ放題などという店にもよく行ってました。このごろは昼食バイキングの店などはとても損なように思って行かなくなっています。
この二つをグラフにすると、供給と摂取の差が開いてきています。これを「食べ残しが増えた」と解釈したいようです。
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--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------
○飽食ともいわれる中で、食べ残しや賞味期限切れなどに伴う廃棄等が食品産業、家庭で発生。これを、国民一人当たり供給熱量と摂取熱量の差として捉えると、その差は拡大傾向で推移。
○家庭での食べ残し・廃棄について、農林水産省の平成16年度調査によると食品ロス率は4.2%。また、食品廃棄物のうち一般家庭から発生するものは約55%。
○世界には約8億4千万人にのぼる栄養不足人口が存在する中、我が国は世界最大の食料純輸入国である一方で、かなりの食べ残し・廃棄が発生しており、資源の浪費・環境への負荷の増大などが課題となっている。
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------
栄養不足人口の話はウソではありませんが、これを日本人の食生活と結びつけて考える根拠はありません。日本人の食べ残しが減ったからといって、栄養不足人口が減るわけがないのは、考えるまでもないことです。
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◆ 食育の必要性
--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------
○しかしながら、フードチェーンの多様化・複雑化や家庭等における食の教育力の低下など環境変化の中で、国民個々の自主的な努力に委ねるだけでは健全な食生活の実現が望めない状況。
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------
お役人が勝手なことを言っています。「健全な食生活」をどう想定するのかは人によると思います。また、農水省の主張しているものと現実の日本人の食生活の差はごくわずかです。
何を根拠に「国民の自主的な努力では実現できない」と考えているのでしょうか。官僚にありがちな選民思想がぷんぷんする文章です。
時代の流れの中で、「健全な食生活」も変化していきます。懐古趣味と保守主義を官僚主義の人たちが利用しているだけではないか?というのが私の「食育」への評価です。
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