「安心!?食べ物情報」は渡辺 宏の発信する食べ物についての情報集です。情報をきちんと把握することで、食べ物に関する不安をなくしていくことができたら、とてもうれしいです。メールマガジン誌上で公表した情報は、このサイトで
いつでも検索・参照できるようにしていきます。メールマガジンの内容をご案内いたします。 私が訪問したことのある生産現場を思い出したままに書いてみます。 海産物の加工場はあまり知らないのですが、すこし前にニューカレドニアのエビ加工場に行かせてもらったことがあるので、その話を少し書きます。 「HACCP」というのは、最新の衛生管理システムです。これを批判している人もいますが、どうも「HACCP」というものがどんなものなのか、知らずに言っている人が多いようです。 〔食べ物情報〕「しょうゆ」その1 今や世界的にメジャーな調味料になった醤油の話です。 醤油の旨味の主成分である、アミノ酸の生成についても、丸大豆醤油は不利なようです。脱脂加工大豆から作ったものに比べて、少し低い数値になるのが普通です。 次週14年2月24日掲載予告 発行者:渡辺 宏(わたなべひろし)プロフィール 今回は渡辺 宏さん発行の週刊メールマガジン「安心!?食べ物情報」Food
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のバックナンバーの〔話題〕や〔Q&A〕そして〔食べ物情報〕の中から水や飲料に関する話題をピックアップしての連載です。専門的なことも出てきますが、T目からウロコUのお話がいっぱいです。これがほんとうのT食のQ&AサイトUではないでしょうか。“掲載料は不要ですよ。”との渡辺 宏さんのご厚意に甘えての転載です。ありがとうございます。心より御礼申しあげます。
連載「安心!?食べ物情報」No1 発行者・渡辺 宏
〔話題〕
その時々のニュースなどから、ピックアップしてお届けします。
〔Q&A〕
読者の方からの質問にお答えします。皆さんからの質問にわかる限り、お答えします。質問と回答の内容はこのサイト内の「Q&A」のページに蓄積して、いつでも読めるようにしていきます。
〔食べ物情報〕
毎回、食べ物を一つ、とりあげます。このマガジンのメイン記事です。巷には食べ物に関する情報はあふれていますが、実際の生産現場から見ると、ピントはずれのことも多いのです。また、デマや思い込みのたぐいも少なくありません。できるだけ、事実に基づいた情報をお届けしていきます。
採卵養鶏場・食肉用養鶏場・養豚場・肉牛飼育場・乳牛飼育場・と殺場・食肉処理場・鶏卵GPセンター・日本酒の酒倉・ワイン工場・ビール工場・牛乳工場・製茶工場
(以下はそれぞれの生産工場です。)
醤油・酢・マヨネーズ・ケチャップ・ドレッシング・豆腐・こんにゃく・味噌・うどん・そば・そうめん・かまぼこ・・・・
こんなところから、ぼちぼち話を拾っていきます。
ニューカレドニアというのは、オーストラリア大陸から北東に少し離れたところにある、「天国にいちばん近い島」です。(森村桂さんの本の題名です。)
今もフランスの植民地なのですが、最近、エビの養殖をはじめ、加工場も同時にできています。国立の研究施設の学者さんがたくさんいて、その指導のもと、薬品を使用せず、環境負荷の少ない、新しいタイプの養殖をしています。
具体的には、海岸に池を掘り、そこに海水をポンプで導入し、排水は反対側のマングローブ林の海岸に流します。養殖では余分のエサが環境汚染の元凶なのですが、これは池の観察によって、最適な量をコントロールすることが可能だ、と言っていました。
エビの工場は「HACCP」システムを導入した最新式のもので、少数のフランス人の管理者(経営者と研究者)と主に現地系の職員で運営されています。現地系(メラネシア系で、「カナク人」と称しています。)の人を優先して雇用しなければならない、という法律があるそうです。
全体を最大限の努力で管理するのではなく、要点を決めてそこを集中的に管理し、その記録を取って行く、というやり方で、このごろよく聞く「ISO9000」(品質管理の国際規格)や「ISO14000」(環境負荷管理の国際規格)と共通の考え方です。
この工場の技術者は「We Have 8
Point.」と言っていました。このチェックポイントをクリアして、はじめて製品として出荷されるのです。「HACCP」については、また改めて書きます。
日本ではまだこのような工場はほとんどなく、衛生的には国内で加工したものよりずいぶん高いレベルにあるようです。冷凍で世界中に供給されていますが、解凍して「刺身」で食べられるものです。
養殖エビ、というとマイナスイメージで語られることが多いのですが、世界中にはいろんなタイプの養殖があり、集約型で、資本と飼料、薬品を大量投入し、池が駄目になると次の場所へ移っていく、という、環境破壊型の養殖ばかりではない、と知ってほしいと思います。
関連(醤油も取り扱っておりますんで)があります。で、掲載しましょうゆ。
最近「丸大豆醤油」という言葉をよく聞かれると思います。「丸大豆」というのも変な言い方ですが、それでは普通の醤油は何から作っているのでしょうか。
【丸大豆と脱脂加工大豆】
醤油の主原料は「大豆」「小麦」「塩」です。大豆は普通は脱脂加工大豆といって、食用油を搾ったあとの大豆を使います。食用油の作り方は別の機会に譲りますが、これに対して油脂を搾る前の、丸のままの大豆を使って仕込んだのが、「丸大豆醤油」です。
違いは大豆の中の油脂のあるなしなのですが、醤油の醸造にとっては、この油脂が難物です。前処理した大豆と小麦を、塩水に入れ、麹や酵母などの微生物の働きで、原料中のたんぱく質が分解して、旨味の素になるアミノ酸が出来ていくのが、醤油の醸造過程です。普通はこの醸造は半年くらいで出来るのですが、丸大豆を使用すると、表面に油脂が浮いてきて、醸造がなかなか進まず、一年以上かかるのです。
この油脂は最終の製品には含まれません。丸大豆醤油の製造現場を見学すると、醤油を搾る袋から、大量の油脂が出て来るのを見ることができます。この油脂は真っ黒で、塩分を含むために、食用にはならず、産業廃棄物として処分されます。
最初に搾れば食用になる大豆油脂が、醤油醸造後に分離すれば、産業廃棄物になる、省資源やリサイクル、ということを考えると、「丸大豆醤油」というのはとんでもない、という意見もあります。
丸大豆醤油の有利な点は、油脂成分に由来する、有機酸やエステル類、つまり香気成分に優れている点です。食べ比べるとわかりますが、味では脱脂加工大豆製、香りでは丸大豆製、という評価になると思います。
丸大豆醤油は原料の段階から良質のものを手配できるという利点があります。また、必然的に長期醸造になり、全体にまろやかな風味で、食卓でのかけ醤油やさしみ用などには特に向くものです。
伝統文化としての醤油はもちろん丸大豆を使用します。本物指向としては、丸大豆醤油というのは、正しい選択です。しかし、品質としての差があまり出ないことや、資源の無駄遣いのことを考えると、全体としては、かなり難しい選択になります。
食べ物に限らず、何事にも選択にはこの種類のトレードオフの関係が成り立つことが多いのです。
さて、あなたはどちらを選びますか?
「安心!?食べ物情報」Food
Review[1号]より転載
「安心!?食べ物情報」No2
〔話題〕【本の紹介】「水道水 安心しておいしく飲む最新常識」・〔食べ物情報〕「牛乳」その1



1951年和歌山県生まれ。無添加食品などの仕入を20年以上経験、生協を経て、平成10年夏、コンピュータ・システム設計会社「森羅情報サービス」設立、現在に至る。今までたくさんの生産現場に出向いた経験を元に、食べ物の「でき方」「作り方」とその問題点などを懇切丁寧にメールマガジンで毎週発信中。他に宮沢賢治の童話と詩をテーマにしたホームページ「森羅情報サービス」も開設。
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